手取り足とりをやめれば自立した子に育つ!モンテッソーリ教育に学ぶ2つのヒント

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4歳、5歳くらいの子供を見ていると、これはいい加減一人でやって欲しいんだけどなあと思うことがよくあります。片付けしない。着替えは遅いし、お出かけまで時間がかかる。
はぁ、というママパパのため息があちこちから聞こえてきそうですね。

一方で何でも自分でやるしっかり者の子もいます。そういう子を目の当たりにすると余計にがっくりくるもの。
うちの子はどうしてダメなんだろう・・・ついそう考えてしまいがちです。

でもそんな風に悪く考える必要はまったくありません。一人で出来る子とそうでない子に能力の差なんてないはず。

じゃあいったい何が違うの?

最近何かと話題のモンテッソーリ教育。そこにヒントがたくさんありました。

「ああ、あの天才を育てる早期教育ね」のように誤解している方もいるようですが、モンテッソーリ教育の目的が本当は何だか知ってますか?

それはずばり「自立した子供を育てる」こと。

モンテッソーリ教育の目的はそれぞれの発達段階にある子どもを援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける姿勢を持った人間に育てる」ことです。

日本モンテッソーリ教育総合研究所HPより引用

自立した子供を育てることが、幼児期(0-6歳)の教育はもとより、そのあとに続く児童期(6-12歳)、思春期(12-18歳)、青年期(18-24歳)の教育の一貫した目標なのです。

でも、自立した子供ってどういうことなんでしょうか?そもそも自立ってもっと先の話じゃないの?

幼児教育を大切に考えるSTUDY PARK[スタディパーク]としては「幼児期の自立」はスルーできない話題。
今回は、モンテッソーリ教育に学びつつ考えてみたいと思います。

幼児期の子供の自立って?

自立している子って具体的にはどんな子供でしょうか?

・朝、まずトイレを済ませてから自分で着替える
・ごはんの時間になったら自分で座って最後まで落ち着いて食べる
・遊び終わったらおもちゃを片付ける
・夜、きちんと歯磨きしてパジャマに着替えて寝る

ほぼうちの子への要望ですね、これ。
でも、みなさんパッと思いつくのはこんなところのはず、そんなには外していないかと。

テレビで外国の子供が自分の意見をはっきり言うのを見ると、しっかりしてるなあと思います。
これも自立しているからですよね。
(逆に日本の子供は大した返事ができないのがいつも気になる)

自立した子がこうした姿を見せるのは、自分に自信を持っているからでしょう。評価されるのを恐れて萎縮している子は自分から進んでやろうとしません。

子供が自立するためには、何が自信をつけ、何が自信を失わせるのかをよく知る必要があります。

自立するとどんないいことがあるの?

幼児期に自立できた子は、小中学生になってもやっぱり自立しているようで(そりゃそうでしょうね)、例えば

・困難に立ち向かう意欲や根気がある
・自分で計画を立てられる
・好奇心、探究心が旺盛
・思いやりを持って人と接し、コミュニケーションがとれる

といった特長がみられるのだそう。
三つ子の魂百までということわざがあるように、幼児期に築いた自立の土台はまさに生涯の宝物なわけですね。

英語やプログラミング、読み書き計算、水泳にピアノなど、幼児期から子供に学ばせたいことはたくさんあります。
でも、できればそのどれもが、表面的な「できた・できない」ではなく、子供の自立を目標にしていれば良いなと思います。

自立する子供へのステップ

いつから始まるの?

モンテッソーリ教育では、自分の足で立って歩けるようになって、一つの自立の段階に達したと考えます。
モンテッソーリの言葉を借りると「他人の助力なしに自分で何かができる」こと、です。

また、その時期の子供は手にも力がついてきます。重いものを運んだり、作業に意識して取り組むようになります。

こういった手足の活動が活発になる1歳から1歳半くらいにかけてが自立のスタートラインだとモンテッソーリ教育では考えます

自立へのファーストステップは基本の運動

でも、そのスタートラインに立つための準備は、実は歩き始める前から始まっています。

・握る
・つまむ
・押す
・ひっぱる
・入れる
・落とす
・はがす

ごく小さい時期に始まるこうした基本運動をしっかりできるようにすること、これが子供が自立するための重要なステップです。

ひとつできるようになると、子供は自信を深め、その自信が自立を進めます。

萎縮して行動できない子は、案外こういう基本動作に不安を抱えているのかもしれません。うまくできないと恥ずかしい。だからやりたがらない。

ちょっと長くなりますが、とてもわかりやすい例があるので引用します。

周りに大人が多く、K君がなにかしようとしても、お母さんや、家の人がやってくれます。

洋服を着るのも、ボタンをはめるのもみんなやってくれます。それで、自分の手や指を意識して動かす経験が少なくなっていました。

K君は、友だちが意欲的に難しい折り紙にとり組んでいるころ、横でちらちら見てはいたけれど自分でしてみようとはしませんでした。

K君は興味がなかったわけではないのです。友だちのように、三角に折って袋を開いてというように、いろいろなものに挑戦したいのですが、どうも指先がうまく動きません。

また心の中もなんとなくすっきりしません。「できない」という劣等感にもなってきます。

だからといって「さあ、やってごらん、がんばりなさい」といわれても、ではいったいどうしたらよいのか分かりません。

そこで、先生はK君に折ることの基本を見せてあげ、毎日何十枚も繰り返してさせてあげました。

自分の目と自分の神経を使って、経験をたくさんすることが必要だったのです。

一ヶ月ほど取り組んだ後、笑顔が出てきました。「できた!」という実感を持ったのです。

子どもは動きながら学ぶ 環境による教育のポイント(講談社 1990年)より引用

おお!K君よかったね!
「しっかりやりなさい!」「どうしてできないの?」なんてことを口にしても、何の効果もないんですね。

子供は環境を通じて自ら学び成長する

モンテッソーリ教育では、子供は環境を通じて学ぶものだということが繰り返し言われます。
でも、ちょっとピンと来ません。いったい、この「環境」とは何でしょうか?

あんまり正確じゃないかも知れないけど、①子供がやりたがっている活動を、②何度でも繰り返しでき、③満足するまで続けられる状態を作ってあげること。
そして、④子供を適切にサポートする大人がそこに存在すること。

モンテッソーリ教育で言うところの環境ってこんなことかなと思います。

もうちょっと具体的に。モンテッソーリ教育的に残念な環境の例をあげてみます。

お座りができるようになった赤ちゃんが、ティッシュペーパーをどんどん出して散らかるので、箱ごと取り上げた。

これは手を使える最高の環境があるのに、それを大人が取り上げてしまった典型的な残念パターン。

おもちゃを出して、のびのびやらせようと放っておいた。一人でうまくやれないおもちゃがあったが、そのうち諦めてしまった。

こちらも残念なパターン。大人が適切なサポートをしていないという点が残念。
大人が手本を見せていれば、子供はそのチャレンジを克服して自信をつけていたはずです。

モンテッソーリは、子供は誰に教わるでもなく自分で学び成長する力があることを発見しました。

子供は未熟な存在だと決めつけ、大人が何かを一方的に教えこもうとするのは間違っている。モンテッソーリ教育が私たちに伝えるシンプルな(だけど強烈な)メッセージです。

やりたいことを繰り返しやれる環境を!そして大人は先回りしない!

ママがドアノブをガチャっと回して扉を開けるのを見て、私もやってみたいと思う。
それで子供は何度も失敗しながらドアノブを回して開けようとします。
子供は楽しくて仕方ありません。そしてこれは自立へ向けた大切な準備でもあります。

だから大人が「気を利かせて」ドアを開けるのは、子供が学ぶチャンスを取り上げるのと実は同じことなのです。

でも、大人にとって迷惑なときがあるのもまた事実。そこでモンテッソーリ教育ではこんな教具を用意しています。

例えばこれはボタンかけを練習する日常生活の教具。これでボタン開け閉めやりたい放題。

画像提供:heutink

面白いですね。初めてこの教具を見たときには感動しました。
モンテッソーリ教具についてはこちらの記事でもご紹介しているのでぜひご覧ください。


放任主義ではダメ。大人が適切にサポートする。

モンテッソーリ教育を勉強していてショックだったのは、何でも自由にしとけばいいってもんじゃないということ。
親はあれこれ手伝わないほうがいいに決まってますが、何もしないのもまた良くない。子供を適切にサポートする必要があります。

子供がやり方を知りたがっているときには、ゆっくりと手本を見せてあげましょう。
その際、動きを分解して静かに見せるのがコツ。
大人がやるように流れで動作を見せても、早すぎて子供は理解できません。

もし大人のサポートを受けられずに、子供がチャレンジを諦めてしまえば、自信は育ちません。
さらに、新しいことに意欲的でなくなったりすぐに諦める癖がついてしまうかもしれません。

意識して活動する時間を作ろう

もう一つ大事なことがあります。子供自身に、意識して活動させることです。

ただ自由に力任せにやるのではなく、行動に意識を持たせる。指先や足先まで意識を持たせて何かをさせる。腕のどこに力を入れ、どの向きに動かせばいいのか、考えながら取り組ませる。

普段の遊びの中で、10分だけでもそう意識する時間を作ってみると良いですね。

これ、うちでも実践してますがオススメです。意識してやるとそれまでうまくできなかったことがスッとできたりするので、子供も笑顔になります。

この練習のひとつに、モンテッソーリ教育ではお馴染みの線上歩行と言うものがあります。

白テープを床に貼りその上をゆっくりと歩きます。歩幅は足ひとつ分。前に出した足のかかとをつま先につけるようにして歩きます。
同時に、手に持ったコップの水がこぼれないようにする(コップの水でなくてもOK)。
意識を集中するために、静かな曲だけを流し、私語も禁止。

外出時、白線をはみ出ないように歩く、縁石を平均台に見立てて歩くなども良いですね。
ラジオ体操やママと一緒にヨガなども良い練習になりそうです。

線上歩行は家でもわりと簡単にできるので、ぜひチャレンジしてみてください。

まとめ、特に大切な2つのこと

モンテッソーリ教育を参考に、子供の自立について書きましたが。中でも特に覚えておきたいのは

・自立するためには自信をつけること
・自信をつけるためには基本を大切に

のふたつだと思います。

常々、幼児教育では計算ができる・英語の発音がいいといった表面的な「スキル」よりも、学ぶのって楽しい・難しいことにチャレンジしたいといった意欲、つまり「マインド」を育てることのほうが大切だと考えてきました。
だって、マインドがあれば人間はひとりでどんどん進んでいきますからね。

自立した子供とはまさにそのこと。とてもとても大切なことだと思います。
ぜひ、自立する子供を育てましょう!

(と言いながら、おもちゃと絵本で散らかしっぱなしの部屋を片付けに行ってまいります涙)

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