人気の知育玩具ビジーボード。指先を使い、たくさんの仕掛けで子どもの好奇心を刺激してくれそうですよね。
よく「モンテッソーリ ビジーボード」として紹介されていますが、これ実は大きな誤りだってご存知でしたか?
モンテッソーリ教育の視点では、ビジーボードを積極的にはおすすめしない理由があるんです。
それは……刺激が多すぎて集中を妨げたり、本物の体験から学ぶ機会を奪ってしまったり…。この記事では、モンテッソーリ教育でビジーボードをおすすめしない3つの明確な理由を徹底解説します。
この記事を読めば、後悔しないおもちゃ選びのポイントがわかり、子どもの真の成長を促すためのヒントが見つかりますよ!
- ビジーボードは刺激が多すぎるため、子どもが深く物事に没頭する「集中現象」を妨げる可能性があります。
- モンテッソーリ教育ではおもちゃの模倣品より、日常生活の中にある「本物」の道具に触れる体験を重視します。
- 市販品は高価な割にすぐ飽きるリスクがあり、手作り品はパーツの誤飲など安全面での懸念があります。
- おもちゃ選びで大切なのは、遊びの目的が一つに絞られ、子どもの現在の発達段階や興味に合っていることです。
【結論】モンテッソーリ教育でビジーボードをおすすめしない3つの理由
人気の知育玩具ビジーボードですが、実はモンテッソーリ教育の考え方とは少し異なる側面を持っています。
たくさんの仕掛けがあって、子どもの興味を引きそうに見えますよね。しかし、子どもの真の成長や発達を促すという視点で見ると、いくつか検討すべきデメリットが存在するんです。家庭での教育方針の選択に後悔しないためにも、なぜおすすめしないのか、その3つの理由を詳しく見ていきましょう。
理由1:刺激が多すぎて子どもの「集中」を妨げてしまうから
たくさんの仕掛けがついたビジーボード、一見すると子どもの発達に良さそうに見えませんか?
しかし、モンテッソーリ教育では、子どもが何かに深く没頭する「集中現象」の時間を何よりも大切にしています。そのため、教具は基本的にシンプルな作りになっていることが多いんです。
一方、さまざまな遊びの要素が詰め込まれたビジーボードは、子どもにとって刺激が多すぎる場合があります。次から次へと興味が移り、注意が散漫になってしまうことで、ひとつのことにじっくり向き合う貴重な機会を逃してしまう可能性があります。
理由2:日常生活にある「本物」の体験に勝るものはないから
モンテッソーリ教育の根幹をなすのは、日常生活に根ざした「本物」の体験です。
ビジーボードについている鍵やスイッチは、あくまで本物を模した「おもちゃ」です。しかし、子どもは本物の鍵が持つずっしりとした重さや、スイッチを押した時のカチッという感触、蛇口をひねると水が出てくるという因果関係など、五感を使ったリアルな体験から多くを学びます。
ママ
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本物の素材に触れる体験こそが、子どもの知的好奇心を満たし、生きていく上で本当に役立つ実践的な学びへとつながっていくのです。
理由3:安全性にも疑問があるから
「高機能」なわりに比較的安価に販売されているビジーボード。特に安価な製品の中にはパーツが外れやすく誤飲につながる危険性や、安全でない塗料が使われているといった懸念もあります。おもちゃを選ぶ際は、CEマークやSTマークといった安全基準をクリアしているかどうかの比較検討が、子どもの安全を守るために不可欠です。
- 刺激が多すぎると集中力の妨げになる可能性
- 本物の体験が子どもの成長により効果的
- 安全性とコストパフォーマンスを十分検討する
モンテッソーリ教育が大切にする「教具」の本当の意味

モンテッソーリ教育の世界では、子どもの発達を支える「教具」という存在が非常に大切にされています。
一見すると魅力的な知育玩具のように見えるかもしれませんが、その背景には、子どもの自立と成長を促すための、深く考え抜かれた教育的な目的が隠されているんです。
「おもちゃ」と「教具」の決定的な違いとは?
一般的な「おもちゃ」と、モンテッソーリ教育で使われる「教具」。この二つの決定的な違いって、なんだと思われますか?
おもちゃが「楽しむこと」を主な目的としているのに対し、教具は「子どもの自己教育を促すための道具」という明確な役割を持っています。
例えば、教具には「目的がひとつに絞られている」「子ども自身が間違いに気づける」「その年齢の発達段階にぴったり合っている」といった特徴があるんです。この工夫こそが、子どもの集中力を引き出し、ひとつの活動に深く没頭させるための重要な仕掛けなんですよね。
子どもの「敏感期」に合わせた環境づくりが最も重要
子どもには、特定のことに対して強い興味を持ち、驚くほどの集中力で物事を吸収する「敏感期」という特別な時期があります。
この大切な時期に、子どもの興味に合った環境を用意してあげることが、健やかな発達と成長を促す上で何よりも重要になってくるというわけです。
ビジーボードのように様々な機能を詰め込むのではなく、今の子どもが何に夢中になっているか(指先を使うこと、あけ移すことなど)を大人がしっかりと見極めること。そして、その一つの興味にとことん集中できるような遊びの環境を整えてあげることが、子どもの能力を伸ばす鍵となるのです。
- 遊びの目的は一つに絞られているか?
- 子どもの今の「敏感期」や興味に合っているか?
- 木や布など、五感を刺激する「本物」の素材か?
- 子どもが自分で間違いに気づき、修正できるか?
- CE/STマークなど、安全基準をクリアしているか?
- 色や形がシンプルで、活動に集中できるデザインか?
- おもちゃを出し入れしやすい、子ども目線の収納になっているか?
- 「やりたい」を引き出す、美しい見た目か?
- 日常生活の「本物」の道具で代用できないか?
ビジーボードの代わりに!モンテッソーリ視点のおすすめ活動【年齢別】

ビジーボードの代わりに、子どもの発達段階に合わせた活動を取り入れてみませんか?
モンテッソーリ教育では、一つの活動に一つの目的があることを大切にします。たくさんの仕掛けがついたおもちゃは、一見すると子どもの興味を引くかもしれませんが、情報量が多すぎてしまい、かえって集中力の妨げになる可能性もあるんです。
ここでは、子どもの「今やりたい!」という気持ちに寄り添い、成長を促すための具体的な活動を年齢別にご紹介します。
0〜1歳向け:五感をフルに使う身近なもの
この時期の子どもにとって、世界はどんな風に見えているのでしょうか?
赤ちゃんは、見る、聞く、触る、なめるなど、五感をフルに使って世界を探索しています。この大切な時期には、身の回りにある安全なもので、感覚を存分に刺激してあげることがおすすめです。
例えば、大きさの違う木のスプーンを握り比べてみたり、ティッシュの箱から様々な手触りの布を引っ張り出したり。シンプルですが、指先の感覚を養い、素材の違いを感じる絶好の機会になります。誤飲の危険がないよう、大人がしっかり見守る環境で、本物の素材に触れる体験をさせてあげましょう。
1〜2歳向け:日常生活の練習につながる活動
大人のやることを何でも真似したがる、あの可愛い時期がやってきましたね!
モンテッソーリ教育で「日常生活の練習」と呼ばれるこの活動は、子どもの自立心と自己肯定感を育む絶好のチャンスなんです。大人の真似をすることは、子どもにとって最高の遊びであり、学びの機会でもあります。
お米や豆などを容器から容器へ「あけ移す」、ペットボトルの蓋を「開け閉めする」、古着のジッパーを「上げ下げする」など、家庭にあるもので指先の巧緻性を高める活動はたくさんありますよ。少し難しい作業に挑戦し、できた時の達成感が子どもの成長の大きな糧になるというわけです。
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2〜3歳向け:より複雑な動きや思考力を育む活動
2〜3歳は、これまで培ってきた指先の動きを、より複雑な活動へと統合していく大切な時期です。
手首や指先のコントロールが上手になってきたら、少し高度な知育玩具や活動に挑戦してみましょう。例えば、子ども用のはさみを使った「切る」練習や、のりを使った「貼る」作業は、目と手を協応させる力を養います。
また、穴の空いたカードに紐を通す「縫いさし」のような遊びは、指先の細かな動きだけでなく、高い集中力と思考力を同時に育んでくれるんです。これらの活動は、目的が明確で達成感を得やすいため、子どもが飽きることなく夢中になれる、まさに理想的なおもちゃの代替と言えるでしょう。
- 年齢に応じて一つの活動に集中できる環境を整える
- 身近な道具を使った日常生活の練習が効果的
- 子どもの「やりたい」気持ちを大切にする
どうしてもビジーボードを使いたい場合の選び方と注意点

モンテッソーリ教育の視点から見るとデメリットも指摘されるビジーボードですが、ご家庭の方針や子どもの興味によっては、選択肢の一つとして検討したい場合もありますよね。
もしビジーボードを選ぶのであれば、後悔しないために、その選び方と使い方にはいくつか注意点があります。子どもの大切な成長期に関わるおもちゃだからこそ、なんとなく選ぶのではなく、しっかりとした目的意識をもって比較検討することが重要なんです。
購入前に確認したい3つのチェックポイント
ビジーボードを選ぶとき、どんな点に気をつけていますか?
「仕掛けが多い方がお得かも」なんて思っていたら、少し立ち止まってみてください。大切なのは、今のその子の発達段階や興味に合っているかどうかなんです。
子どもの「やりたい!」という気持ちに寄り添った、シンプルな仕掛けが中心のものを選びましょう。情報が多すぎると、かえって子どもの集中力を妨げてしまう可能性があるからです。
購入を検討する際は、以下のポイントを必ずチェックしてください。
- 子どもの今の興味に合った仕掛けが中心か
- STマークやCEマークといった安全基準を満たしているか
- 木製など本物の素材で、デザインがシンプルか
言うまでもなく安全性は最優先事項です。誤飲や思わぬ事故の危険を避けるため、安全基準を満たした製品を選ぶことは必須条件。木製など、子どもの感覚を豊かに育む上質な素材でできているかどうかも、ぜひチェックしてほしいポイントです。
安全な使い方と手作りのリスクについて
「手作りなら安くて安全」と考えているなら、それは大きな誤解かもしれません。
実は、家庭での手作りには、専門家が作る知育玩具とは比較にならないほどの危険が潜んでいるんです。子どもが口に入れても安全な素材や塗料を厳密に選べていますか?パーツは、大人の力でも絶対に取れないくらい頑丈に取り付けられていますか?
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万が一の事故を防ぎ、子どもの発達に良い効果をもたらすためには、安全性が担保された高品質なおもちゃを選ぶのが賢明な選択です。
購入した場合でも油断は禁物。必ず大人の目が届く環境で遊ばせ、パーツに緩みがないか定期的に点検する習慣をつけましょう。
- 手作りの場合は誤飲や塗料の安全性に十分注意
- 必ず大人の見守りがある環境で使用する
- 定期的な安全点検を忘れずに行う
よくある質問

Q. ビジーボードは子どもにとって絶対に良くないのでしょうか?
一概に「絶対ダメ」というわけではありません。しかし、モンテッソーリ教育が大切にする「一つのことに集中する力」や「本物から学ぶ体験」を考えると、デメリットが上回る可能性があるということです。もし選ぶ場合は、目的がシンプルで、安全基準を満たしたものをおすすめします。
Q. モンテッソーリ教育の考え方に合うおもちゃはどんなものですか?
モンテッソーリ教育では、おもちゃを「教具」と呼びます。特徴は「目的が一つに絞られている」「本物の素材(木、布、金属など)で作られている」「子どもが自分で間違いに気づける」などです。子どもの発達段階に合ったシンプルなものを選ぶと良いでしょう。
Q. ビジーボードの代わりになる、おすすめの活動はありますか?
0〜1歳なら様々な手触りの布を箱から出す遊び、1〜2歳ならお米や豆の「あけ移し」やジッパーの上げ下げ、2〜3歳なら紐通しや子ども用はさみを使った活動などがおすすめです。日常生活の中にある道具が素晴らしいおもちゃになりますよ。
Q. ビジーボードを手作りするときの注意点は何ですか?
手作りはコストを抑えられますが、大きなリスクも伴います。特に注意したいのは、パーツの誤飲と塗料の安全性です。子どもが口に入れても安全な素材を選び、大人の力でも取れないくらい頑丈に取り付ける必要があります。安全性を最優先するなら、信頼できるメーカーの製品を選ぶのが賢明です。
Q. ビジーボードのどんな点がモンテッソーリ教育の考え方と違うのですか?
モンテッソーリ教育では、おもちゃが「楽しむ」ことだけを目的とするのに対し、教具は「子どもの自己教育を促す道具」という明確な目的を持っています。ビジーボードは様々な遊びが混在しているため「おもちゃ」の要素が強く、一つの目的に集中する「教具」とは考え方が異なります。
Q. 子どもがビジーボードを欲しがったら、どう対応すればいいですか?
まずは、なぜ欲しがっているのか、どの仕掛けに興味があるのかを観察してみてください。もし特定の仕掛け(例えば鍵やスイッチ)に興味があるなら、大人の監督下で本物に触れる機会を作ってあげるのが理想です。おもちゃで代用する場合は、その仕掛けに特化した、よりシンプルなものを選ぶと良いでしょう。
Q. おもちゃ選びで見るべき「CEマーク」や「STマーク」とは何ですか?
CEマークはEU(欧州連合)の、STマークは日本の安全基準を満たしていることを示すマークです。おもちゃを選ぶ際に、これらのマークがあるかどうかは、子どもの安全を守るための重要なチェックポイントになります。
まとめ
この記事では、モンテッソーリ教育でビジーボードをおすすめしない理由を解説しました。刺激が多すぎたり、本物の体験から遠ざかったりする懸念があるからなんですね。
でも、大切なのはおもちゃを単純に良し悪しで判断することではありません。お子さまが今、何に夢中になっているかをじっくり観察することから始めてみませんか?
まずはペットボトルの蓋の開け閉めなど、身近なもので「日常生活の練習」を取り入れてみてください。もし新しいおもちゃを選ぶなら、記事中のチェックリストを参考に、お子さまの「やりたい!」に寄り添うものを選んであげてくださいね!



