前日にできなかったことが次の日にはすんなりできるようになったり、おしゃべりが上手になったり。
3歳は驚くほど成長めざましい時期です。
好奇心が旺盛で、さまざまな人やものから毎日たくさん刺激を受ける時期だからこそ、よりよい刺激を与える遊びを取り入れたいですよねー!
そこでSTUDY PARK[スタディパーク]がおすすめしたいのがパズルです。
手先を動かし、思考力を駆使するパズルは幼児の脳への刺激が期待できます。
そして何より、楽しくて夢中にさせる魅力があります。
3歳児の特徴やパズルの効果、どうして3歳にパズルがおすすめなのかをみていきましょう。
もくじ
できることが日々増えていく3歳児
3歳になると、身体的にも知覚的にも赤ちゃんの頃に比べてできることが格段に増えるようになります。
身体面
歩く、走る、飛び跳ねる、段差を上る・下りるといった体全体を使った運動のほか、三輪車に乗ったり、後ろ向きで歩くなど、より高度な動きができるようになります。
さらに手先が器用になり、自分でスプーンやフォークを持って食事ができるようになります。お箸の練習を始めるお子さんも多いですね。
また、クレヨンで円を描いたり、はさみを使って遊んだり、指先や手首の動かしかたが上達します。
知覚面
自我が強くなり、「自分で」「自分が」という要求が強くなる時期です。
受け身だった赤ちゃんの時期とは違い、自分から能動的に動くのは自立心が芽生えてきた証拠とも言えますね。
そして語彙が爆発的に増加します。
2歳で300程度だった語彙が、3歳にはおよそ1000語にまで増えると言われます。
「それから」「それで」などの接続詞や、「て・に・を・は・と」などの助詞も使い、三語以上のスムーズな会話ができるようになります。
また好奇心が旺盛な時期で、「どうして?」「なんで?」といった会話も増えます。
おなじみのテレビアニメ『サザエさん』のタラちゃんも3歳。
そういえばよく「どちてですか?」「なんでですか?」と聞いていますよね。
数の概念を理解できるようになるのもこの頃。
少ないながらも数を数えることができる子もいます。
また、以前読んだ絵本の内容を記憶していたり、何かに集中して取り組むことができるようになるなど、記憶力・集中力の発達も見られます。
さらに、行動範囲の広がりとともに同世代の子どもとの関わり合いが増え、コミュニケーションをとることができるようになります。
自然と友だちや集団生活の中でルールを理解し、意識できるようになります。
赤ちゃん時代とはちがう遊び方、学び方への取り組みととしておすすめなのがパズルです(他にもありますが、それはこの記事の最後でご紹介しますね)。
パズルが育む3つの大きな力
なぜパズルがいいのか、それはパズルに取り組むことで次の3つの力の育ちが期待できるからです。
① 考える力
ピースをよく見て、最適な状態・場所に置かないとパズルは完成しません。
私たちはパズルで遊ぶとき、ピースを観察し、「ここに当てはまるかもしれない」と仮説を立てて完成させます。
それらをすべて無意識で行っているはずです。
3歳の子どもも同じです。
始めたばかりの頃は、理由もなく闇雲にピースを当てはめるかもしれません。
しかし繰り返し取り組むうちに、その法則に気づいて行うようになります。
こうして「観察力」「推察力」「記憶力」「論理的な思考」が養われるのです。
② イメージする力
完成形を思い浮かべながら、そのピースがどこにどういう状態で位置するものなのか、頭の中でイメージを描きますよね。
正解か、間違いならどうすればいいか、立体のパズルであれば見えない部分はどういう形をしているのかを想像するでしょう。
そのプロセスが「想像力」「直感力」「空間認識能力」を鍛え、そして新たなものを生み出す「柔軟な発想・創造力」につながっていくと考えられます。
③ やり遂げる力
パズルは試行錯誤の繰り返しです。
完成すると、満足感と同時に「やればできる」という自信になります。
その自信の積み重ねが子どもの「自己肯定感」を育み、より難易度の高いものに挑戦しようという「チャレンジ精神」につながるのです。
この3つの「考える力」「イメージする力」「やり遂げる力」は、話題のSTEM(Science, Technology, Engineering & Mathmatics/科学、技術、工学、数学)のスキルにもつながりますね。
パズルをすれば理系に強くなるわけではありませんが、そういった分野に必要な力が培われることが期待できます。
身体的なメリットとしては、指先を使うので手先の巧緻性が向上します。
「指は第二の脳」と言われるように、指をたくさん動かすと脳が活性化されることがわかっています。
特に幼児期は、指をたくさん動かすことが脳の発達にも大きく影響するので、ぜひ意識してパルズにチャレンジしてみてくださいね。
静かな環境で親子一緒にパズルに取り組もう
いいことづくめのパズルですが、3歳の子どもにパズルに興味を持たせるためのポイントが2つあります。
②大人も一緒に楽しみ、見守ること
まずは、パズルをゆっくり考えるのに適した環境を整えること。
物が散乱していたり、人が多くて騒がしい場所、時間的に余裕がないなどの状況では、パズルにじっくり取り組むの難しいですよね。
ですから、休みの日など時間的に余裕があり、静かで、パズルを広げられるスペースを設けられる環境を用意しましょう。
小さな子どもにとって、この「集中して1つのことに取り組む」ことはとても大切です。
モンテッソーリ教育では、「おしごと」をする際は教具(玩具)は1つしか出さず、終わったら棚にもどします。
教具を使うときは作業用のマットを敷いて、その上で作業します。
作業対象と空間を限定し、ひとつの作業に集中して取り組むことで、子どもは満足して次のステップへ移るという考え方です。
子どもが成長するために集中は欠かせないものなのです。
2つ目のポイントは、子ども一人でパズルに取り組ませるのではなく、大人も一緒になってパズルを楽しみ、見守ることです。
親の背を見て子どもは育つもの。
パパやママが楽しそうにパズルに取り組んでいれば、子どももおのずと興味を持つはずです。
子どもが集中して取り組める環境を作ること、そして集中を邪魔しないこと。
これはパズルのみならず、子どもとの遊びの中で言えることです。
子どもが集中し始めたら、あとは口を出さずにそっと見守りましょう。
3歳におすすめパズル12選をご紹介
ここからは3歳さんにおすすめのパズルを紹介したいと思います!
ひとくちにパズルと言っても種類はさまざまですが、手にとって遊べるおもちゃとしてのパズルは、大きく分けると平面・立体の2種類があります。
平面タイプは、一面または裏表の二面を使用するパズルで、ジグソーパズル、はめこみパズル、絵合わせパズル、タングラムなどが挙げられます。
一方、立体タイプは、図形パズルやスタッキングパズル、積み木やブロックパズルなどを指します。
立体の場合は、見えない部分を予測して組み立てなくてはならないため、平面タイプよりも難易度が上がります。
またパズルとしてだけでなく、積み木やブロックとして自由に形を組み合わて遊べるという利点もあります。
3歳でパズルが初めてなら、1、2歳から楽しめるはめこみパズルや絵合わせパズルから始めてみるといいでしょう。
ピースが大きいものがおすすめです。
ジグソーパズルなら、最初は10ピース以下から始めて、慣れてきたら少しずつピースの数を増やしていくといいですね。
動物や恐竜、昆虫、電車や車、大好きなアニメなど、子どもの好きな絵柄のパズルを選ぶのもいいですね。
ほかにも数やひらがな、アルファベット、地図など、遊びながら自然に学ぶプラスαの要素を持ったパズルもあります。
初級コース
カラフルパズルの4点セット
くま、ねこ、あひる、さかなをモチーフにした木製のパズルセットです。
ピースは6点、または7点あり、ピースごとに色が異なっていてわかりやすく、多ピースパズルが初めての子にぴったりです。
ほのぼのとした動物たちの表情も愛らしいですね。
2歳から取り組めるパズルですが、まだあまり経験がないなら3歳さんにもおすすめですね。
型はめボード・ベーシック
2つのピースを組み合わせて、丸・三角・四角の3種類の図形を作る型はめパズルです。
形や色、高さの違いなどを複合的に認識しないと完成しませんが、子どもの考える力を育んでくれます。
デザイン性も高いのでプレゼントにもおすすめです。
くもんのジグソーパズル STEP2
9ピース、12ピース、16ピース、20ピースの4つのパズルがセットされています。
少ないピースから始めて、多いピースへと少しずつステップアップできますね。
2歳〜が対象のSTEP2は乗り物や動物、新幹線など、絵柄が3種類ありますので、子どもが興味のあるモチーフを選びましょう。
NEWさんかくタングラム
同じ大きさの三角の木製ピースが8つ入っていて、それらを組み合わせてさまざまな図形を作るパズルセットです。
大小24枚のガイドボードに当てはめながら、三角形がさまざまな図形のもとになることを遊びながら理解することができます。
考えながら試し、どんどんクリアしていく楽しさに、きっと夢中になりますよ。
ステップパズル
色鮮やか木製パズルです。
ピースの形はすべて同じですが、大きさが少しずつ異なり、小さいピースから順にはめないと完成しないようになっています。
大きさやその法則性を、楽しみながら学べます。
くみあわせドミノ
名前の通り、パズルではなくドミノ(絵柄が描かれた牌)ですが、想像力や推察力などの能力が磨かれるパズルに通じたアイテムです。
木製カードに描かれた絵にマッチした絵を、左右上下にどんどんつなげて遊びます。
絵を見てどの絵とつながるのかを想像したり、オリジナルでオリジナルでお話を創造するのも楽しいですね。
上級コース
HABA 3Dパズル
16〜21個のユニークな形の木製ピースを自由に組み合わせて遊ぶ立体パズルです。
ブルーはHと+の形、グリーンはWの形、レッドは立方体をベースにした型と、色によって形は異なります。
城を作ったり、パターン(柄)を作ったり、どう組み合わせてもOK。
正解も不正解もないので、子どもの想像力をのびのび発揮できますね。
くもんのジグソーパズル STEP3
10ピース程度が難なくクリアできるようになったら、ピースを増やしてみましょう。
このセットには24ピース、35ピース、48ピースの3つのパズルがセットされていますので、徐々に難易度を上げることができます。
STEP3は2.5歳以上が目安で、ほかにも動物や特急列車の絵柄がありますよ。
にほんの47とどうふけん
日本の都道府県を学ぶことができる地理要素をプラスしたパズルです。
ピースの数は、都道府県と同じ47個。
各県の場所はもちろん、大きさや形、各地の名産品や特徴などを遊びながら学べます。
パズルだけでなく、日本地図も大好きになりそうですね。
NEWたんぐらむ
異なる形と大きさの7つの木製ピースと20枚のガイドボードのセットです。
ガイドボードにしたがい、ピースを複数組み合わせて、魚やペンギン、ロケットなどさまざまな形を作ります。
タングラムは、形の組み合わせや向きを変えるだけで形を無限に作り出すことができます。子どもの脳の柔軟性を育むのにピッタリ。
きっと頭の固い大人の方が苦戦しますよ。
六面体パズル
正方形の6面にトラ、ゾウ、鳥、キリンなど異なる絵が描かれており、1つで6通りのパズルを楽しめます。
たった4ピースですが、絵柄が全部で24種類あるので、実質24ピースパズルに匹敵する難しさです。
子どもも最初は苦戦するかもしれませんが、「これは何だろう?」「おしりかな」など、会話しながら取り組むとコツがつかめますよ。
パターンブロック
正方形、正三角形、正六角形、台形、2種類のひし形と6種類の形をしたパターンブロックです。
まずはパターンブックを見ながら、簡単なものを平面でパズルのように作りましょう。
オリジナルの模様や形を作り出すのも楽しいですね。
積み上げても遊べるので、遊びの幅が広がります。
さいごに
観察力や空間認識能力、集中力、論理的思考など、パズルがもたらす効果は計り知れませんが、残念ながら目には見えません。
効果は後からついてくるもの。
パズルの効果を期待しすぎて子どもに無理強いした結果、パズル嫌いにさせてしまっては逆効果です。
大事なのは、3歳の子ども本人が楽しむこと。
事実、パズルはとても楽しいものですよね。
パズルの絵柄や遊ぶタイミング、声掛けなどに工夫をしながら、毎日の遊びの中にパズルを取り入れてみましょう。
また新しいパズルをどんどん与えるのもいいですが、ひとつのパズルに何度も繰り返し取り組むことも、記憶力を強化し、脳を活性化させるので効果的だそうですよ。
複数人で取り組むことで、コミュニケーション能力を育む効果もあります。
家族で一緒に楽しんでパズルに取り組みましょう!