出産準備費用、親からの援助はいくら？相場・頼み方・贈与税を解説

出産準備にかかる費用、総額50万～100万円が目安

新しい家族を迎えるための出産準備、楽しみな反面、いったいどれくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
実は、出産準備にかかる費用の総額は、平均して約80万円前後が目安と言われています。
控えめな準備であれば50万円台、地域やこだわりによっては100万円を超える場合もあります。

もちろん、これはあくまでも平均的な金額。
どこまでこだわるかによって金額は大きく変わってきます。

自分たちの貯金だけでまかなうのか、それとも親や両親、祖父母からの援助やお祝いも視野に入れるのか、家族でしっかり話し合って準備を進めることが大切なんです。
まずは、何にどれくらいかかるのか、具体的な内訳を見ていきましょう！

【内訳】マタニティ・ベビー用品から分娩入院費まで

出産準備の費用は、大きく分けると「ママのためのマタニティ用品」「赤ちゃんのためのベビー用品」「分娩・入院費」の3つに分類できます。
特にベビー用品は、肌着やおむつなどの消耗品から、ベビーカーやベビーベッドといった大型の育児用品まで多岐にわたります。

おもちゃなどは、安価なものをたくさん揃えるよりも、少し高くても精巧に作られた質の良いものを厳選するのがおすすめです。
本物の木の手触りや重さは、子どもの五感を豊かに刺激してくれます。
「高いのには、子どもの未来にとって重要な理由がある」という視点で選んでみるのも、素敵なプレゼントになりますよ。

里帰り出産を考えている場合は、実家への交通費や滞在費なども忘れずに予算に組み込んでおきましょう。

自己負担を軽くする公的制度（出産育児一時金など）

「総額100万円！？」と驚かれたかもしれませんが、ご安心ください。
出産にかかる費用は、実はすべてが自己負担というわけではないんです。
日本には、親の経済的な負担を軽くするための素晴らしい支援制度がたくさんあります。

その代表格が「出産育児一時金」です。
これは、健康保険に加入していれば、子ども一人につき原則50万円（2023年4月以降）が支給される制度。
多くの病院では、この一時金を直接支払いに充てられるので、退院時の窓口での支払いがぐっと楽になるんですよね。

また、産休中に給与が支払われない場合に受け取れる「出産手当金」や、年間の医療費が一定額を超えた場合に申請できる「医療費控除」など、知っておくと助かる補助金があります。
こうした公的な支援に加えて、両親や祖父母からいただく出産祝いも大きな支えになります。
援助してもらった際は、感謝の気持ちを込めて内祝いを贈るのを忘れないようにしたいですね。
費用面で不安なことがあれば、一人で抱え込まず、パートナーや親に相談してみましょう。

親からの援助、みんなはどうしてる？気になる相場と実態

出産の準備には、マタニティ用品からベビー用品、入院費用まで、何かとお金がかかりますよね。
自分たちの貯金だけでは不安に感じることも。

そんな時、親や祖父母からの援助は本当に心強いもの。

とはいえ、他の家庭はどのくらい支援してもらっているのか、正直なところ気になりませんか？

ここでは、出産準備における親からの援助の相場や実態について、詳しく見ていきましょう。

現金での援助額の傾向

出産にあたり、ご両親から現金でお祝いや援助をもらうケースは非常に多いです。
気になるその金額ですが、調査によると5万円から30万円程度の範囲で分布しており、家庭の状況や地域により大きく異なるのが実情です。

もちろん、これはあくまで平均的な相場であり、家庭の状況によって様々。

50万円以上の援助を受ける方もいれば、お祝いとして数万円いただく場合もあります。

いただいたお金は、入院費用やベビー用品の購入費に充てるほか、子どもの将来のための学資保険や貯金に回すなど、計画的に使うことが大切ですね。

ベビーカーやチャイルドシートなど高額なベビー用品の援助も

「現金ではなく、必要なものをプレゼントしたい」と申し出てくれるご両親や祖父母も多いのではないでしょうか。
特に、ベビーカーやチャイルドシート、ベビーベッドといった高額な育児用品は、リクエストしやすいアイテムですよね。

せっかく贈ってもらうなら、子どもの安全と発達を第一に考えた、高品質なものを選ぶ絶好の機会です。

長く使える丈夫なものや、子どもの身体をしっかり守ってくれる機能性の高いものは、やはり値段も高価になりがち。

でも、そういった製品は、子どもの未来への大切な投資になるんです。

金銭だけじゃない！産後の手伝いという心強いサポート

親からの援助は、お金やモノだけではありません。
退院後の生活を支えてくれる「産後の手伝い」は、何にも代えがたい心強いサポートなんです。

出産を終えたママの身体は、本人が思う以上にダメージを受けています。

そんな時に、里帰りさせてもらったり、実家から手伝いに来てもらったりできる環境は、本当にありがたいもの。

食事の準備や掃除、沐浴の手伝いなど、具体的なサポートがあることで、ママは心穏やかに赤ちゃんと向き合う時間を確保できます。これもまた、親からの愛情あふれる最高のプレゼントと言えるのではないでしょうか。

親への援助の頼み方とタイミング

赤ちゃんの誕生は、家族にとって何よりも嬉しい出来事ですよね。
しかし、その一方で出産や育児には想像以上の費用がかかるのも事実です。

ベビー用品の準備や入院費用など、何かとお金が必要になる時期。
そんな時、もし親からの援助があればとても心強いもの。
とはいえ、お金の話は親子でもデリケートな問題です。
今回は、角が立たない上手な頼み方と、伝えるべきベストなタイミングについて解説します。

最適なタイミングは妊娠安定期

親に援助の相談をするなら、妊娠安定期に入ってからがおすすめです。

体調が落ち着き、流産のリスクも低くなるこの時期は、パパやママはもちろん、報告を受ける両親（祖父母）にとっても安心して話を聞けるタイミングなんです。
また、ベビー用品やマタニティグッズの準備を具体的に考え始める頃なので、何にどれくらいの費用がかかるのかを具体的に相談しやすいというメリットもあります。
早すぎると実感が湧きにくく、出産直前だとバタバタしてしまうので、安定期がベストなタイミングと言えるでしょう。

角が立たない切り出し方と伝え方のポイント

お金の話は、親子であっても切り出しにくいもの。
大切なのは、感謝の気持ちをベースに、誠実に相談する姿勢です。

いきなり「お金を援助してほしい」と切り出すのは絶対にNG。
まずは「いつも気にかけてくれてありがとう」と日頃の感謝を伝えましょう。
その上で、「実は、出産準備を進めているんだけど、自分たちの貯金だけでは少し心もとなくて…」と正直な状況を話すのがポイントです。

その際、具体的な使い道を提示できると、親も支援しやすくなります。
例えば、「長く使える質の良いベビーベッドや、子どもの五感を育むような上質な育児用品を揃えたいと思っていて。もしよかったらプレゼントという形でお祝いしてもらえると嬉しいな」といった伝え方がおすすめです。

夫婦で事前にしっかり話し合っておくことが大切

親に援助をお願いする上で、何よりも重要なのが夫婦間での事前のすり合わせです。
これができていないと、後々のトラブルの原因になりかねません。
どちらの親にお願いするのか、いくらくらい支援してほしいのか、しっかり話し合っておきましょう。

また、援助の申し出があった場合にどうするか、もらったお金の管理方法、そして感謝の気持ちを伝えるための内祝いについても決めておくことが大切です。
夫婦で意見が一致していれば、両親への相談もスムーズに進みますし、何よりお互いの両親と良好な関係を築くことにも繋がるんです。

出産準備は、家族の新しいスタートライン。
感謝の気持ちを忘れずに、皆が笑顔になれる選択をしていきたいですね。

援助を受けたらどうする？感謝の伝え方とお返しのマナー

基本的にお返しは不要、でも感謝の気持ちは必ず伝えよう

出産準備にかかる費用について、ご両親や祖父母から援助をいただくケースは少なくありません。
その際、「お返しってどうすればいいの？」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、親からの金銭的な支援に対して、形式的な内祝いは基本的に不要とされています。
なぜなら、それは「お祝い」というよりも、わが子や孫の新しい生活を応援したいという「支援」の気持ちが強いからなんです。

だからといって、何もしなくて良いわけではありません。
大切なのは、感謝の気持ちをきちんと伝えること。
「ありがとう」の言葉はもちろん、その気持ちを行動で示すことが、今後の良好な関係につながっていくんですよね。

感謝が伝わるアイデア（食事会、写真付きの報告、手紙など）

では、具体的にどうやって感謝の気持ちを伝えたら喜んでもらえるのでしょうか？
高価なプレゼントを贈る必要はまったくなく、大切なのは「気持ち」と「報告」です。
いくつか素敵なアイデアがあるので、ぜひ参考にしてみてください。

例えば、退院後や里帰りから自宅へ戻ったタイミングで、ささやかな食事会を開くのはとてもおすすめです。
赤ちゃんの顔を見せながら、直接お礼を伝えることができます。

また、援助してもらったベビー用品を使っている赤ちゃんの写真を送るのも、すごく喜ばれますよ。
「いただいたベビーカーで、毎日お散歩しています！」といった具体的なメッセージを添えるのがポイントです。

少し手間はかかりますが、手書きの手紙で感謝を伝えるのも心に響きます。
メールやLINEにはない温かみが伝わるので、ぜひ試してみてくださいね。

要注意！親からの援助と贈与税のキホン

出産準備には、ベビー用品やマタニティグッズ、入院費用など、何かとお金がかかりますよね。
そんなとき、親や祖父母からの経済的な援助は本当にありがたいものです。

しかし、まとまった金額の支援を受ける際には「贈与税」について少しだけ知っておくと安心です。

「お祝いなのに税金？」と驚くかもしれませんが、ルールを知らずにいると思わぬ税金がかかる可能性も。これから紹介する3つのポイントを押さえて、感謝の気持ちとともに、賢く援助を受けましょう！

年間110万円まで非課税の「暦年贈与」を理解しよう

贈与税の基本として、まず知っておきたいのが「暦年贈与」です。
これは、1人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら、贈与税がかからず申告も不要という制度なんです。

たとえば、父から110万円、母から110万円を同じ年にもらった場合、合計220万円になるので、110万円を超えた部分に贈与税がかかります。

誰からいくらもらったかではなく、「自分」が1年間にもらった合計金額で計算するのがポイント。出産準備の費用として援助してもらう際も、この基礎控除額を意識するといいかもしれませんね。

「結婚・子育て資金の一括贈与」制度とは？

まとまった金額の援助を検討しているなら、「結婚・子育て資金の一括贈与」という非課税制度を知っていますか？
これは、祖父母などから18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚・出産や育児にかかる費用として最大1,000万円まで一括で贈与しても非課税になる、という特例制度です。

この制度を利用するには、金融機関で専用の口座を開設し、そこから実際にかかった費用の領収書などを提出して引き出す、という手続きが必要になります。

少し手間はかかりますが、大きな支援を受けられる可能性があるので、両親や祖父母に相談してみる価値は十分にありますよ。

生活費や教育費としての都度の援助は贈与税の対象外

実は、親から子への「生活費」や「教育費」としての仕送りは、そもそも贈与税の対象外とされています。
ポイントは「社会通念上相当と認められる範囲」で「必要な都度」直接支払われること。

出産や育児に関わる費用で言えば、ベビーベッドやベビーカーなどのベビー用品を直接買ってもらったり、入院費用を支払ってもらったりするケースがこれにあたります。

里帰り出産でお世話になる場合、その間の食費などを実家が負担してくれても、それは生活費の援助なので贈与税の心配はいりません。お金でもらうのではなく、必要なものを直接買ってもらう形も賢い方法のひとつですね。

実家と義実家のバランスはどうする？円満解決のヒント

出産準備を進める中で、実家や義実家の両親から「何か援助させてほしい」という温かい申し出を受けることは少なくありません。

ベビー用品の購入費用や入院費用など、何かと物入りな時期だからこそ、その支援は本当にありがたいものですよね。
しかし、両家が関わるからこその、デリケートな悩みも出てきがちです。

ここからは、実家と義実家との間で起こりがちな問題と、円満に解決するためのヒントをご紹介します。

援助額に差がある場合の考え方と夫婦の心構え

もし、ご実家と義実家からの援助額に差があったら、どう感じますか？
「うちの親の方が少ない…」「なんだか申し訳ないな…」なんて、少し複雑な気持ちになってしまうかもしれません。

でも、一番大切なのは金額を比べることではないんです。
そもそも、両親からの援助は「孫の誕生をお祝いしたい」という温かい気持ちの表れです。

それぞれの家庭の経済状況や価値観も違いますから、金額に差がでるのは、ある意味で自然なことなんですよね。
夫婦で「どちらの親にも心から感謝しようね」という気持ちを共有することが、何よりも大切です。

もらった援助は、夫婦の貯金と合わせて、子どものための学資保険の足しにするなど、ふたりで使い道を相談して決めるのがおすすめです。
お祝いを贈ってくれた祖父母に、感謝の気持ちを伝えることを忘れないようにしましょう。

援助を上手に断りたい時の伝え方

「自分たちの力で準備したい」「親にあまり負担をかけたくない」という想いから、援助を辞退したいと考えるご夫婦もいらっしゃいますよね。
援助を断ることは、決して失礼なことではありません。

大切なのは、伝え方なんです。
ポイントは、「感謝の気持ち」と「自分たちの想い」をセットで伝えること。

いきなり「いりません」と突き放すのではなく、「お気持ち、本当に嬉しいです。ありがとうございます」と、まずは感謝をしっかり伝えましょう。

その上で、「まずは夫婦の貯金で頑張ってみたいんです」「自分たちで一つひとつベビー用品を選ぶのが夢で」といった、ポジティブな理由を添えると、相手も気持ちよく受け入れてくれるはずです。

もし、それでも何かしたいと言ってくれた場合は、「じゃあ、退院の時に着るセレモニードレスをプレゼントしてもらえると嬉しいな」など、金銭ではなくプレゼントという形でお願いするのも素敵な方法だと思います。